白馬岳(猿倉〜大雪渓〜白馬岳〜白馬大池〜栂池)
『白馬大池〜白馬岳〜杓子岳〜白馬鑓ヶ岳〜不帰キレット〜唐松岳縦走レポート』はコチラ
日 数 1泊2日
体力度 ★★☆
危険度 ★★☆
工 程 1日目=猿倉〜白馬尻〜白馬山荘(その後、白馬岳往復)
2日目=白馬山荘〜白馬岳〜小蓮華岳〜白馬大池〜乗鞍岳〜村営栂池山荘
歩行時間 1日目=約5時間55分
2日目=約4時間40分
(休憩時間、電車バス等の乗物待時間を除く)
駐車場 猿倉P(無料)
歩行日 6月4日〜5日
備 考  
面積事項 本サイトで紹介する全ての情報には作者の主観が含まれているものとし、作者登山時による参考データとします。登山計画時や実登山時に本サイトのデータを使用する事は、個人の判断によるものとし、実状と差異が生じた場合でも、本サイト側には一切の責任を持たないものとします。
レポート<1日目>
マイカーアプローチ

 登山口となる猿倉へは国道148号・白馬駅付近の「白馬町」交差点を八方尾根スキー場方面へ曲がり約10Kmほど。駐車場は猿倉荘の手前にあり、未舗装・無料となっております。駐車台数は50台ほどで、ハイシーズンには夜明け前から満車になるとの事ですので注意してください。

猿倉P

猿倉〜白馬尻=約1時間

 猿倉Pから舗装路を歩いて猿倉荘へ。猿倉荘はペンション風のきれいな山小屋。小屋前にトイレがありますので、スタート前に済ませておきましょう。登山口は猿倉荘の左脇にあります。靴ひもをチェックしたら、さあ出発!

 木漏れ日の中を10分ほど歩くと林道に合流となります。ここからしばらくは林道歩き。途中、沢にかかった一本橋をビビリながら渡ると徐々に山道っぽくなっていきます。林道は猿倉から50分ほどで終りとなります。林道終点から樹林を少し歩くと白馬尻に到着となります。

猿倉から見上げた白馬岳

白馬尻〜葱平付近=約2時間20分

 6月初旬のため、白馬尻小屋を前にして雪渓が現れました。初めて見る大雪渓に作者とのその一行は大興奮。「すげー、あんな上まで登るのか〜!?」などと歓声を上げながら、アイゼンを装着し、サングラスをかけたら準備完了。いざ、大雪渓へ第一歩!!

 大雪渓に入って約15分で、まだ建設中の白馬尻小屋に着きました。ここまでは、まだまだ全然余裕の作者とその一行。「この調子でタラタラ登っていけば、結構ラクに登りきれるでしょう?」な〜んて強がりを言っていたのですが、小屋を過ぎて勾配がきつくなると、さっきまでの強がりもどこへやら・・・。次第に言葉少なくなり、時より左手の杓子岳側からころがり落ちる落石を気にしながら、休み・休み・歩き・休み・歩きモードへ。

 さて、本日の大雪渓は作者とその一行の後方に2組(3人)が登ってくるだけのガラガラ状態。雪渓に入って1時間半。「飽きたな・・・」などとまた強がりを言いながら、黙々と斜面を登っていると、はるか前方に傾斜がグンときつくなっている場所が見えたので、とりあえず、そこまで登って休むことに。この時期はまだ大雪渓と小雪渓の境がなく白馬尻から稜線直下まで雪渓が延々と続いていたため、大小(雪渓)の切れ目が分かりませんでしたが、あとで調べたところ、作者とその一行が休憩した「傾斜のきつくなる手前あたり」が葱平だったみたいです。
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眼下に白馬尻小屋
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大雪渓をノボル1
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大雪渓をノボル2

葱平〜お花畑避難小屋=約1時間30分

 さて、いよいよ急斜面です。「エ?いままでは急斜面じゃないの?」 ハイいままでも、すんごくキツかったですが、ここからは、むぉ〜っと角度がキツイです。しかもチョット危険。大雪渓初体験の作者とその一行は念のためピッケルを用意し、一歩一歩慎重に登ることに。ただ、景色がすばらしいのがせめてもの救い。進行方向左側には頂上付近の荒々しさが美しい杓子岳、右側には目的地の白馬岳。依然、杓子岳のもろい岩肌からは小さな落石が雪渓に流れ込んでいます。雪渓では石は音無く転げ落ちるので、あまり足下ばかり見ていないで、しっかり前(上)を見て進みましょう。

 少し先の雪渓の中央に中州のように露岩した「陸地」が見えてきました。雪渓の壁面はすでに30度以上の勾配となっており、よくよく考えてみれば、普通ならジグザグに折り返しながら登るくらいの傾斜なのに、なぜか延々と直登してきたワケで、作者とその一行はもうグッタリなのでした。疲れきった作者とその一行は、アイゼンを外したい理由で「陸地」に上陸。露岩部分の近くの雪は、岩や土の熱をもらって腐っている(緩んでいる)部分がありますので、「上陸」直前には要注意です。

 さて、陸地の最上部から、ようやく紅ガラが現れて、作者とその一行を雪渓右端へのトラバースルートへ導いてくれました。右端へ移動してからすぐにお花畑避難小屋に到着。ここまで、ホントにキツかったです。
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はるか下界へと続く大雪渓

大雪渓のトラバース路
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杓子岳

お花畑避難小屋〜村営頂上宿舎〜白馬山荘=約50分+約15分

 避難小屋からも紅ガラをたどり、稜線部へなおも直登します。右上に村営白馬頂上宿舎が見えると前方に露岩部分が現れ、避難小屋から約20分ほどでアイゼンとお別れとなります。やっとアイゼンを外せたのに何故か重い作者の足。村営頂上宿舎まではガレ場の急斜面。もうひとガンバリだ〜!

 最後のガレ場を登り切って村営頂上宿舎に到着。宿舎裏手のちょっとした雪の斜面を登り、露岩の尾根道に這い上がると、ガレた尾根道の先にはあこがれの白馬山荘が輝いていました。そしてその後ろには当然、白馬岳。反対方向に振り返ると杓子岳から鑓ヶ岳へとアルペンムードタップリの稜線が続いています。本当に「あ〜、来て良かった」と思う瞬間です!疲れなど一瞬で吹っ飛んでしまいます。村営頂上宿舎から白馬山荘までは約15分。(でも、体の疲れは全然吹っ飛んでいなかったのを、思い知らされた15分でした。つらかった・・・。山荘まで遠かった・・・。) 

白馬山荘

白馬山荘にて(1)

 白馬山荘に到着。山荘前に石積みの展望台?があり、その横にテーブルと椅子が数組並んでいます。まだ、時間が早く、登山者も少なかったので、チェックイン前に昼飯にしました。山荘前のテーブルからは杓子岳と鑓ヶ岳、遠方には穂高と槍ヶ岳が見えます。すぐ近くの旭岳の後ろには日本海も見えます。う〜ん、カップヌードルがウマイ!

 至福の時を終え、いざチェックインへ。白馬山荘は1号館、2号館、3号館とレストランスカイプラザから成っており、シーズン前のこの日は1号館は改装中、スカイプラザも営業前で、2・3号館しか開いていませんでした。受付は2号館の玄関で行いました。この日の宿泊者は作者とその一行以外は、たったの2人。定員1500人を誇り、夏の最盛期は村営宿舎(定員1000人)とあわせて最高5000人が泊まったと言う日本最大の山小屋なのに・・・。少し寂しいような気もしましたが、無条件で個室を利用できて良かったです。考えてみればこんなガラガラの巨大山小屋を見られたのだから貴重でしたね。

白馬山荘前

 個室は「槍」「穂高」「大雪渓」などと命名されていて、2階部分に数部屋あります。廊下には「この廊下はうぐいす張り」と書かれていました・・・。トイレはさすがにキレイで、大用はボットン式。トイレットペーパーも備え付けてあります。食堂にはストーブがあり、お客が少ない本日は、素泊まりのボクらも夕食時に食堂を利用させて頂きました。ストーブが暖かかった。

白馬山荘にて(2)

 さて、作者とその一行はチェックイン時に明日の行程について小屋の人に尋ねました。実は当初の予定では2日目は杓子岳、鑓ヶ岳を廻って鑓温泉を経由して猿倉に下山する予定だったのですが、聞いたところ、そのコースは夏コースこそシッカリしているが、この時期はまだ未整備であって、コースらしき形跡はすべて雪の下なので、初白馬の我らでは迷うこと間違いなしと言う。

 どうしようか考えながら、とりあえず寝床の準備を整え、カメラを持って白馬岳頂上へ行ってみることに。頂上までは約15分。ガレ場の登山道にはツクモグサが咲いていました。白馬岳頂上部の写真を撮るのなら、途中にある松沢貞逸顕彰碑のあたりがナイスなポイントです。白馬岳の頂上は広いのですが、長野側がスパっと切れ落ちていて、高度感満点でした。反対側には優美な立山と剣岳。また、南方の八ヶ岳の向こうには富士山が見えます。富士山と日本海を同じ場所で見られるなんて・・・。感動的〜(涙)

 頂上には白馬山荘の宿泊者(1名)と村営頂上宿舎にテント泊される方がいて、明日の行程について相談できました。テント泊の方も作者とその一行と同じコースを予定されていたのですが、小屋番の話を聞いて、大雪渓を下るコースに変更したとの事。作者とその一行もコースを変更して、白馬大池から栂池に下るコースを選びました。
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ツクモグサ
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白馬岳頂上部

白馬岳頂上標
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大雪渓全貌
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月と劔岳

 
レポート<2日目>
白馬山荘〜小蓮華岳=約1時間45分

 朝の4時半に山荘を出発。そんなに寒くない朝でした。朝焼けの写真を撮りたかったのですが、日の出の向きがイマイチでした。白馬岳頂上からは稜線を行くガレ場の登山道。下りメインですが、途中にいくつかピーク越えがあります。また、この時期では雪渓をトラバースするポイントが数カ所あり、チョット緊張させられますが、眺めが良く、とても気持ちいいルートですので、稜線歩きを楽しみましょう。

 頂上出発30分ほどの位置にある小ピークを越え、急坂を下って馬ノ背を過ぎると三国境(=雪倉岳との分岐)に到着します。分岐された道の先(今回のコースではない)には鉢ヶ岳、そのまた先には雪倉岳が見えます。さて、登山道(本コース)は次の鞍部を過ぎると小蓮華山への短い登りとなります。右側に白馬三山が見え始めると、最初の雪渓が現れました。緊張しながら小股歩きでトラバースし、さらに登って小蓮華岳に到着。

白馬岳頂上部(北側より)

小ピーク

小蓮華岳〜船越ノ頭〜白馬大池=約35分+約20分

 小蓮華岳〜船越ノ頭間で雷鳥に出会いました。しかも雄雌のペアです!おとなしく、少し位なら人間が近づいても逃げません。写真撮り放題でした。(その割には撮った写真がイマイチでしたが)  船越ノ頭を過ぎ、その名も「雷鳥坂」を気分良く下ると、眼下に白馬大池と白馬大池山荘が見えてきます。大池は中央部を残して氷結しておりました。白馬大池の直前まで下ると雪渓(と言うより雪原)に変化します。雪原を走って下って白馬大池山荘に到着。

 白馬大池山荘はまだ営業していなかったので、小屋脇をササッと抜けて乗鞍岳への登りに取り付く事にします。なお、今回の白馬岳〜白馬大池山荘間で雪渓のトラバースは、最後の雪原を除いて、3回ありました。いづれも急斜面へ落ち込んでいるので、かなり緊張しましたデス。
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雷鳥の雄
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小蓮華岳より白馬岳方面を望む
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白馬大池

白馬大池〜白馬乗鞍岳=約30分

 大池から登山道が急変し、石ゴロ道(はじめは石が結構大きい)となります。ピョンピョンと石から石に飛び移りながら登って行きますが、結構疲れます。乗鞍岳頂上は頂上碑が立っており、やはり石ゴロです。頂上から先は少しの間だけ平坦な道が続きます。

白馬乗鞍岳〜村営栂池山荘=約1時間30分

 頂上を出発して約10分程で雪渓が現れます。ここではアイゼンをつけましょう。最初は軽い下り坂ですが、20mくらいで急斜面(下り)となります。斜面の角度は30度位はありそうです。標高差は150m以上。たぶん、転んだら一気に下まで滑り落ちると思い、そう考えるとチョット怖かったです。アイゼンのかかとを雪の斜面に突き刺すようにして、足場を作りながら下ります。慣れてくれば、多少滑っても、スベリながら体制を整え次の一歩が出せるようになります。雪渓には紅ガラが数mおきに付けられておりましたので、迷わず木道にたどり着けました。

 木道でアイゼンを外しましたが、木道の先に何回も短い雪田が現れます。ほとんどはアイゼンを付ける程ではありませんが、1箇所だけ急斜面となる部分がありますので、注意が必要です。木道から村営栂池山荘までは、意外と長く、ダラダラ歩かされます。ようやく到着した村営栂池山荘は完全に観光地でした。

 でも、下山祝いに食べたアイスクリームは旨かった〜!
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北アルプス万歳!

 
 

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