後立山連峰縦走1(栂池〜白馬大池〜白馬岳〜杓子岳〜白馬鑓ヶ岳〜不帰キレット〜不帰ノ瞼〜唐松岳)
『猿倉〜大雪渓〜白馬岳〜白馬大池縦走レポート』はコチラ
日 数 1泊2日
体力度 ★★★
危険度 ★★★
工 程 1日目=栂池ヒュッテ〜白馬大池〜白馬岳〜白馬山荘
2日目=白馬山荘〜杓子岳〜白馬鑓ヶ岳〜天狗山荘〜不帰キレット〜不帰ノ瞼〜唐松岳〜八方池山荘
歩行時間 1日目=約4時間5分
2日目=約4時間25分
(休憩時間、電車バス等の乗物待時間を除く)
駐車場 栂池P
歩行日 8月12日〜13日
備 考 不帰キレット(不帰ノ瞼)の通過には非常に危険を伴います。
面積事項 本サイトで紹介する全ての情報には作者の主観が含まれているものとし、作者登山時による参考データとします。登山計画時や実登山時に本サイトのデータを使用する事は、個人の判断によるものとし、実状と差異が生じた場合でも、本サイト側には一切の責任を持たないものとします。
コース図 & 標高*距離グラフ
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コース図
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標高*距離グラフ(1日目)
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標高*距離グラフ(2日目)
(地図、グラフはカシミール3Dを利用)
レポート<1日目>
マイカーアプローチ

 今回コースの登山口は、栂池ロープウェイ山頂駅付近にある村営栂池山荘の脇にあります。

 登山口までは栂池高原より栂池パノラマウェイにて約26分です。料金は大人片道1720円。10kg以上のザックの方は手荷物料としてプラス300円を徴収されます。ちなみに、チケット窓口には重量計があって、言い訳しても逃げられませんでした・・・。(料金は2008年実績)


栂池ゴンドラ乗り場


栂池ヒュッテ付近

栂池ヒュッテ〜天狗原〜白馬乗鞍岳=約1時間10分+約40分

 登山口より天狗原まで明るい樹林をジグザグに登ります。

 天狗原の手前で、残雪が現れるころに行く手が一段と急坂となっている所があります。この急坂下で休憩を取る登山者が何組かいますが、実はあと5分足らずで天狗原となりますので、まだまだ歩けるようでしたら、ここは通過しましょう。


登山口


天狗原手前の急坂


 天狗原の休憩ポイントは湿原を渡る木道の途中にあり、池に映る青空がとても綺麗でした。

 ベンチで休憩をとったら白馬乗鞍岳へ向けて最後の登りにとりつきます。


天狗原休憩ポイント


乗鞍岳はこの高台の上

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天狗原

 天狗原からは岩場の急登となります。登るにつれて勾配は徐々にきつくなり岩も大きくなります。

 途中で雪渓をトラバースするとまもなく白馬乗鞍岳の頂上台地に到着。

 石ゴロの台地の向こう側に頂上を示すケルンが立っています。


岩場

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急登をノボル


雪渓を渡ればもう少し


乗鞍岳の頂上大地


乗鞍岳頂上

白馬乗鞍岳〜白馬大池山荘=約25分

 白馬乗鞍岳をあとにすると登山道は白馬大池に向かって緩やかな下り坂となります。

 岩場の下り坂で浮き石もありますので注意して進んで下さい。

 しばらくすると眼下に美しい白馬大池が見えてきます。

 青く澄んだ水
 新緑の台地
 赤い屋根の白馬大池山荘

 本当に綺麗です!!

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白馬大池

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白馬大池


白馬大池山荘へ下ります

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透明度抜群!

白馬大池〜小蓮華山=約1時間30分

 白馬大池からはいよいよ稜線歩きとなります。ガレ場の急登をジグザグと折り返しながら標高を上げていきます。長く単調な登りですので時々休憩を取りながら進みましょう。眼下には白馬大池、左前方には白馬岳が望めます。


白馬大池山荘


雷鳥坂へ出発


山荘前の広場

 この長い道道は雷鳥坂と呼ばれており、運が良ければ雷鳥に出会えることでしょう。作者とその一行は幸運にも雷鳥の親子に出会えました。


ガレ場の稜線へ変化


雷鳥ママ発見!


雷鳥ベビー発見!

 小蓮華岳のピークの手前には、あそこが頂上か?と思わせるような小ピークがいくつかあります。

 登り切ったその先にもまだピークがあると思い、あまり気負いせずにゆっくり進んで下さい。


小蓮華山頂上

小蓮華山〜三国境〜白馬岳=約30分+約40分

 三国境まではほとんど高低差のない道が続きます。周囲は灰色のガレと、緑色のハイマツの2色のみ。左前方に杓子岳を眺めながら白馬を目指してアルペンムードたっぷりの稜線歩きを楽しんで下さい。登山道は三国境が近づいた終盤に急登となります。めげずにがんばろう!


ガレ道


三国境への登り


三国境

 三国境は雪倉岳、白馬大池、白馬岳からの稜線を結ぶ分岐点です。ここでは休憩を取って最後の急登に備えましょう。三国境からの急登も小ピークの連続です。偽ピークにガッカリしないで頂上を目指して下さい。

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歩いてきた道を振り返る


偽ピーク


白馬岳頂上はこの向こう

白馬岳〜白馬山荘=約10分

 白馬岳の頂上は東側がスパッと切れ落ちた稜線上にあります。危険ですので東端には近づかないようにして下さい。

 頂上には方位盤と頂上標があります。

 白馬岳から白馬山荘までは一転して下り坂となりますのが、気を抜かず注意しておりて下さい。ここでコケて怪我をする登山者もいますので・・・。


白馬岳頂上


頂上標


白馬山荘へ下る

白馬山荘にて

 白馬山荘は日本最大の収容人員数を誇る山小屋。その数なんと1200人以上。建物は1号館〜3号館の他、アルペンプラザというレストラン兼おみやげショップがあり、そこには日本で一番高い場所のモンベルショップもあって、Tシャツから登山靴まで買えます。ちなみにモンベルクラブ会員の作者とその一行は宿泊費が500円引きでした。


白馬山荘


白馬山荘


白馬山荘


白馬山荘


アルペンプラザ


アルペンプラザ

 作者とその一行は、素泊まりだったのですが、炊事場はレストランの地下にありました。この日は炊事場を利用する人がいなかったので貸し切り状態。水道の水も利用できるし、電気(照明)もつくし、静かだしと文句なしの場所でした。(壁にはコンセントがあるし・・・)

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杓子岳と白馬鑓ヶ岳

 
レポート<2日目>
白馬山荘〜杓子岳=約1時間10分

 早朝4時に白馬山荘を出発。杓子岳直下までなだらかな稜線が続きます。途中、丸山を越える時と、杓子岳直下付近で登りに転じますが、おおむね下り坂中心です。

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杓子岳

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白馬鑓ヶ岳

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杓子岳上部稜線を行く

 杓子岳は直下に巻き道があり、頂上を踏まずに白馬鑓へ進むことができますが、作者とその一行はせっかくなので頂上目指してザレ道の急登へ。杓子岳への登りは勾配がキツいうえ、足下のザレ石がゆるく崩れやすいので、注意して登りましょう。また、落石にも注意してください。

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白馬岳(杓子岳より)

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写真家?


前方に鹿島槍ヶ岳発見!

 巻き道との分岐から約15分の急登で杓子岳頂上に到着。後方を振り返ると朝日を浴びた白馬岳と白馬山荘、旭岳が望めます。また、前方には思ったより大きな白馬鑓ヶ岳が登山道をふさぐように居座っています。はやくもアルペンムード大満喫の作者とその一行なのでした!

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白馬岳〜杓子岳の稜線


杓子岳頂上で記念撮影

杓子岳〜白馬鑓ヶ岳〜天狗山荘=約45分+約35分

 杓子岳の頂上から稜線を伝って白馬鑓ヶ岳方面へ歩くと登山道はガレ場の下り坂となり、約15分で先ほどの巻き道に合流すると杓子沢コルと呼ばれる鞍部に到着します。ここからは登り坂となり、約30分で白馬鑓ヶ岳頂上に到着します。

 白馬鑓ヶ岳まで来ると右前方に剱岳と立山が大きく見えるようになります。とってもビューティフルです。

 さて、登山道は天狗山荘に向けて一気に下りとなります。白馬鑓ヶ岳の南斜面は白一色のガレ斜面です。浮き石の多い斜面をジグザグと下った後、再び登りに転じます。

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白馬岳方面を振り替える


白馬鑓ヶ岳頂上

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白馬鑓ヶ岳の北側


立山連峰

 また登るのかよ〜等と言いながら進むうちに天狗山荘への標識が現れると、またまた下り坂となり、やがて思っていたより立派な天狗山荘が見えてくるのです。

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天狗山荘へ


天狗山荘の案内看板


天狗山荘

天狗山荘〜不帰キレット(最低鞍部)=約1時間15分

 天狗山荘では山荘正面の雪渓より溶け出す天然水をいただくことが出来ます。この水はとても冷たくて旨いです。

 天狗山荘でひとしきり休憩した後はいよいよ「不帰」と名の付くキレットへ歩を進めます。天狗山荘から「天狗の頭」までは緩やかに登る稜線歩きですが、天狗の頭を過ぎると15分程で「天狗の大下り」の上部に到着。

 いよいよ後立山連峰縦走路の最大の難所「不帰キレット」「不帰ノ瞼」へ突入となります


天狗山荘を出発


天狗の頭

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天狗の大下りへ続く稜線


天狗の大下り看板

 ここで一言。不帰ノ瞼は超難所です。クサリ、ハシゴはもちろん、ほぼ垂直な岩登りもあります。中にはクサリもなければホールド部分(掴まる所)も無い場所があり、本当に危険で怖いです。臆病者の作者は真剣に落ちたくない、死にたくないと思ったほどです。

 作者は岩場が苦手なので少々オーバーに表現しがちですが、こういう場所の情報を伝えるうえではかえって臆病で大げさな方が良いかと思います。不帰ノ瞼は十分経験を積んだうえ、同等以上の経験者を伴って挑戦されることを推奨します。

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不帰キレット

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不帰T峰への緩やかな稜線

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天狗の大下り

 さて、話を本筋に戻しましょう。天狗の大下りは、下りはじめの数分が一番注意が必要です。クサリがいくつかありますので、ストックを持っている場合はザックに固定しておいたほうが良いでしょう。この最初の難所を越えればあとはジグザグのガレ場下りです。(再びストックが欲しくなります。)最上部から約35分で最低鞍部に到着。ここが不帰キレットです。

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大下りより天狗T峰へ


不帰T峰頂上

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不帰U峰全貌

不帰キレット〜不帰U峰(北峰)=約1時間25分

 いよいよ不帰T峰に取り付きます。といっても不帰T峰への登りは特筆する事はありません。非常に急峻な岩山ですが、今までどおり進めば特に怖い思いをすることなく、T峰〜U峰間の鞍部に到着する事でしょう。

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不帰U峰への取り付き

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U峰への登り

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不帰U峰の北峰と南峰

 難所はU峰への取り付いた直後とU峰頂上直前にあります。鞍部から見上げるU峰はほぼ垂直にそそり立つ岩壁。鞍部を出発すると登山道?は一旦岩壁の右に移り、垂直に登った後、稜線の左手(東側)にトラバースします。ここではザックの重みで重心を後ろへ取られないよう注意して下さい。掴みどころのない岩壁をなんとかよじ登って、鉄製の渡り廊下を渡れば最初の難所は終わりです。とはいえ、T峰〜U峰間は全箇所が危険箇所と言ってもいい位の区間ですので、気を抜かず進んで下さい。U峰の東側をトラバースすると、終盤にはU峰の南側に巻き込まれるようにクサリが付いた難所があります。ここは足の短い作者にはかなり怖かったです。南側に出ると直登となります。見上げれば頂上はもうすぐです。U峰の肩の部分からT峰が望めるようになると、ようやく最後のトリとなる少々オーバーハングぎみの岩壁トラバースがあります。ここを通過すると、突然「ここは不帰U峰の北峰」と書かれた看板が現れ、難所をクリアした事を作者とその一行に伝えてくれます。


まもなくU峰最後の難所へ

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クサリ場

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U峰頂上直下のクサリ

不帰U峰(北峰)〜唐松岳〜唐松岳頂上山荘=約1時間+約10分

 不帰U峰(北峰)から先は、不帰V峰(南峰)、唐松岳にかけて特に危険箇所は無く、通常の岩稜歩きとなります。目指す唐松岳頂上は前方にクッキリ見えるあたりからは、少々登りとなります。難所を終えて気が抜けがちですが、最後まで気を引き締め、唐松岳を目指して頑張りましょう!偽ピークにも負けるな〜。


「U峰の北峰」頂上の証

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不帰U峰の南峰へ続く稜線


「U峰の南峰」頂上の証


唐松岳頂上標


絵を描く登山者


唐松岳頂上

唐松岳頂上山荘〜八方池山荘=約1時間50分

 八方池山荘まで標高差770mを一気に下ります。途中の丸山ケルンまでは約25分のガレ場下り、その後、樹林に入って40分ほど歩くと八方池のある第三ケルンとなります。丸山ケルン〜第三ケルン間には扇雪渓と呼ばれる雪渓がありますので時間に余裕がある方はここで雪遊びでもどうぞ。

 さて、第三ケルンまで降りると・・・観光客がいます。さらに登山道はサンダルでも歩けるようにガッチガチの木道&階段となります。ペースも気分も一気に落ち込みますが、八方尾根スキー場のリフトまでは、まだ40分も歩かねばなりません。みんな、最後までガンバレ〜!

 ちなみに八方池山荘から下界まで作者とその一行を降ろしてくれるリフト(八方アルペンライン)は山麓駅まで大人片道1400円でした。(料金は2008年実績)

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唐松岳頂上山荘


八方尾根分岐


唐松岳頂上


扇雪渓


八方池


リフト乗り場

 
 

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