赤岳・横岳・硫黄岳縦走
日 数 1泊2日
体力度 ★★☆
危険度 ★★☆
工 程 1日目=美濃戸〜行者小屋〜赤中分岐〜赤岳〜赤岳頂上小屋
2日目=2日目=赤岳頂上小屋〜横岳〜硫黄岳〜赤岩の頭〜赤岳鉱泉〜美濃戸
歩行時間 1日目=約4時間
2日目=約5時間30分
(休憩時間、電車バス等の乗物待時間を除く)
駐車場 美濃戸の「やまのこ村」(1500円)
歩行日 8月5日〜6日
備 考 終始晴天でしたが早朝の赤岳頂上はフリース等の防寒着が必要。行動中は半袖OK!
面積事項 本サイトで紹介する全ての情報には作者の主観が含まれているものとし、作者登山時による参考データとします。登山計画時や実登山時に本サイトのデータを使用する事は、個人の判断によるものとし、実状と差異が生じた場合でも、本サイト側には一切の責任を持たないものとします。
コース図 & 標高*距離グラフ
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コース図
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標高*距離グラフ(1日目)
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標高*距離グラフ(2日目)
(地図、グラフはカシミール3Dを利用)
レポート<1日目>
マイカーアプローチ

 登山口は八ヶ岳山麓西側(国道299号より南)にある「美濃戸」です。美濃戸へは美濃戸口から林道を徒歩で1時間か車で20分ですが、車で行く場合、美濃戸側の駐車場を予約しておくことを強く推奨します。美濃戸まで行って満車の場合、美濃戸口まで戻らなくてはなりません。

 作者とその一行は今回は赤岳頂上小屋に宿泊しましたが、事前に宿泊予約を入れた時に予約窓口となっている美濃戸の「やまのこ村」さんが駐車場の事を次のように案内してくれました。・・・「美濃戸口についたら電話してください。その時点で駐車状況を確認して空いていれば1台確保します。満車の場合は美濃戸口に駐車願います。」・・・今回はこの段取りで無事に駐車できました。なお、駐車料金は2日で2000円ですが、赤岳頂上小屋に泊まるともらえる「券」を下山時に提示すると500円キャッシュバックとなります。

 ところで、美濃戸口〜美濃戸間の林道は強烈な悪路です。実際には乗用車でも行けますが、作者のオデッセイでも腹をゴツンゴツンと地面にぶつけながら進みました。それでも、やっとこ美濃戸に着いてみると駐車場に普通のセダンが停まっているだよね〜。不思議・・・。ところで、この悪路は途中にY字路があり、いったん2ルートに別れます。美濃戸に向かって進行方向左が車用、右が人用って感じで、車用の方はそれまでよりかなり「良い道」になりますが、すぐに合流して元の強烈悪路に戻ります。また、この道は当然道幅が狭いのですが、人も歩いていますので歩行者と路面状況の両方に注意しながら慎重に進んでください。(終始一生懸命歩いている登山者から冷たい視線を浴びながら運転する事になりますが、やさしく通過してね。)


やまのこ村P

美濃戸口〜行者小屋=約1時間40分

 いよいよ歩行スタート。
 美濃戸の駐車場を出発して林道を進行方向に5分位進むと右手に八ヶ岳の絵看板が現れます。ここが今回の登山口。Y字路になっており右手の山道が南沢ルートで行者小屋方面へ、左手の林道が北沢ルートで赤岳鉱泉方面へとなります。

 作者とその一行は、南沢ルートで行者小屋を目指します。登山道は白河原まで樹林の軽い登り坂。空が見え隠れする明るい森のおかげで真夏の好天時でも涼しく、南沢の沢音と共に気分良く進めます。この区間では勾配が緩い分、急ぎ足となりがちですが、省エネ歩行でゆっくり進むことをオススメします。なにせ行者小屋からはかなりキビシイ急坂になりますので体力温存で行きましょう。

 行者小屋はたくさんの登山者で賑わっていました。小屋ではうどん、ラーメン、おでん等が食べられる他、水、ビール、トマト、オレンジ、お土産などが手に入ります。また、赤岳鉱泉とのタイアップ?なのか両小屋の名前入りオリジナルお土産もあります。

 小屋脇に迫る絶壁を見上げると明日歩く事になる赤岳〜硫黄岳間の稜線や荒々しい岩塊を見ることができます。今からあそこまで登るのかと思うと気が遠くなりますが、行者小屋〜赤岳間は約2時間位ですので、気を取り直して頑張って登りましょう!
 なお、山ではどこでもそうですが、午後は天候が急変したり、また、小屋への到着が遅くなると食事の時間が遅れたりする事が予想されますので、行者小屋は11時位には出発しましょうね。

登山口の絵看板

南沢ルートの序盤

南沢ルート中盤

南沢ルート終盤
(白河原以降)

行者小屋

行者小屋のおしながき

トマトにオレンジにビール!

行者小屋〜赤中分岐=約1時間10分

 作者とその一行は行者小屋で充分休みをとってから長い鉄階段が待つ文三郎道へ向けて出発。最初は草木の間を抜ける道ですが、あっという間に急坂となります。折り返しながらツライ急坂を上り続けると、さらに追い打ちをかけるかのように最初の鉄階段が現れます。ここまで行者小屋から約20分。振り返ると行者小屋が下界の森の中に小さく見えます。

 鉄階段は長短あわせて5〜6本。はるか上空?まで長〜く続く階段を前に作者とその一行はただただ沈黙・・・。とりあえず上から降りてくる登山者がいたので彼らを待っている間しばし休憩。鉄階段の幅は90cmほどしかなく、途中ですれ違いするには窮屈なので、登り始めたら一気に上まで上がらないと待っている人に迷惑がかかります。最初の鉄階段はまだしも、3つ目、4つ目となると足に疲労がたまり途中で休みたくなりますがめげずに登り切りましょう!鉄階段通過は全部で約30分位です。頑張れ〜!

 このあたりでは左手の稜線上に赤岳展望荘、右手には中岳・阿弥陀岳を望むことが出来ます。階段と階段の間で休んだ時は是非この景色を楽しんでください。

 さて、どうにか鉄階段を登り切ると、今度はザレ場の急登となります。ズルズルと靴が滑って登りにくいのですが、焦らず確実に進みましょう。あんまりズルズル崩すと落石が発生する可能性もありますので注意してください。登山道脇にはクサリの柵も付いています。鉄階段終了から赤中分岐までは約20分です。

ジグザグの急登(文三郎道)
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天まで続く?鉄階段(文三郎道)
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もうすぐ赤中分岐点(文三郎道)
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中岳と阿弥陀岳

赤岳頂上あたりを見上げてみた

赤中分岐点到着

行者小屋〜赤中分岐=約1時間10分

 赤中分岐ではチョット休憩しましょう。ここから眺める中岳・阿弥陀岳の展望は最高にビューティフルです。特にジグザグと続く登山道と緑のコントラストがイイ!振り返ると赤岳の岩峰が高くそびえています。でもここからは頂上はハッキリと見えません。

 さて、赤中分岐からは岩登りです。しばらくはザレた坂道を歩きますが、すぐに岩肌となりストックをたたんで上へ上へと登る感じに変化します。クサリが付いていて利用しないと厳しいところもありますが、とはいっても特に危険という事もなく楽しく登れます。赤中分岐から約20分位でキレット小屋方面への分岐看板、もう20分位で赤岳頂上となります。

 赤岳は外観で分かるとおりの岩峰であり、頂上には頂上碑と赤岳神社の祠があります。登山者が休めるスペースはあまり広くなく、絶景とも言える阿弥陀岳方面はスパッと切り落ちているので、座ってゆっくり眺められる人は限られたスペースに数人って感じです。阿弥陀岳・中岳・権現岳・編笠山方面をじっくり眺める事以外は、赤岳頂上小屋からでも出来るので、狭い頂上より、赤岳頂上小屋前へ移動して休む事をオススメします。なお、頂上〜頂上小屋間も5分弱の岩稜歩きですので、気をつけて移動してください。

赤岳へ登り開始
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もうすぐ頂上

赤岳頂上

赤岳頂上小屋

 頂上及び赤岳頂上小屋からの展望は前出の山々に加えて横岳・硫黄岳・天狗岳・蓼科山はもちろん、北アルプスの白馬や立山、鹿島槍、槍〜穂高に南アルプスの甲斐駒や仙丈等々の名峰が一望できます。富士山も見えるハズですが今日も見られなかった・・・。

 赤岳頂上小屋は岩稜にしがみつくように建っています。他にもこんな立地条件の小屋はありますが、ここも「よくこんな所に建てられたね」って感じの小屋です。入口は横岳方面にくだった所にあり、そこが1階で受付・食堂と部屋があります。地下は部屋とトイレ、2階は娯楽室と売店(外からも入れる)となっています。食事は当然到着順ですが、最初の組は夕食17時、朝食5時でした。(最終組は1時間半後)

 この日はすごく混んでいて布団2枚で3人でした。室内(寝る部屋)は異常に熱く、作者は20時半の消灯から4時間頑張りましたが結局我慢できず、部屋に備え付けのシェラフを持って1階受付前の廊下に移動。既に先客が居ましたが、どうにか寝るスペースを確保して3時間弱ほど眠れました。最初からここが良かった〜。
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赤岳頂上小屋

赤岳頂上小屋の夕食(2006-08-05)
 
レポート<2日目>
赤岳〜横岳=約1時間45分

 翌朝は、日の出が4時50分頃との事なので、作者とその一行は防寒着を着込んで小屋前で日の出を待ちました。今回は雲が多く、あんまり綺麗な朝焼けではなかったのが残念。主稜線もクッキリ照らされなかったです。地形的に向きが悪いのかも・・・。

 さて、小屋で朝食を済ませたら、いよいよ主稜線に出発です!まずは赤岳頂上小屋から赤岳展望荘に向けて約170mの急降下。機の鬱はうってかわってはやくもアルペンムード全開です!主稜線を見下ろしながら進むのは気持ちいいのですが、登山道は狭く滑りやすいザレ道ですのでスリップやすれ違い時に注意してください。
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主脈稜線展望
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赤岳頂上小屋出発直後
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まもなく赤岳展望荘

 作者とその一行は早朝の渋滞もあって赤岳展望荘まで30分もかかりましたが渋滞がなければ20分位で着くはずです。赤岳展望荘手前で振り返って見る主峰赤岳はスバラシイ山容でした。朝日に焼けてまさに赤岳です!

 登山道は風力発電機が並ぶ赤岳展望荘の玄関前を抜け、いよいよ左右の切れ落ちた(とはいっても道幅は十分あるけど)稜線にでます。そびえ立つ横岳を見ながら地蔵の頭まで進むと今日はじめてのハシゴが現れます。さあここから岩稜歩きの始まりです。ここから横岳の向こう側までは、登山地図上では危険マークが付いていたり、コースが点線になっていたりする部分で、もちろんハシゴとクサリがたくさんありますが、しかっかりと三点支持を守って慎重に歩けば、特にキケンという箇所はありませんのでご安心を・・・。

赤岳展望荘
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赤岳
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いよいよ横岳(険場)へ

 横岳までは複数のピークがあり、赤岳方向から進むと、大権現や三叉峰などを乗り越えた一番最後が横岳頂上となります。遠くに見える一番最後のピークが横岳ですので、まだかまだかと焦らずに景色を楽しみながら歩いてくださいね。特に進行方向左下には八ヶ岳山麓の深い森と行者小屋、赤岳鉱泉が見え、遠望には槍ヶ岳のピークや大キレット、鹿島槍、白馬も望むことが出来ます。(見とれすぎて落ちないでね)。
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鉄ハシゴ
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クサリ場
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横岳手前の小ピーク

横岳〜硫黄岳=約50分

 横岳頂上を通過すると下り坂に転じます。その先で稜線を進行方向左に横切るポイントがありますが、ここは本コースで一番注意が必要なポイントですので慎重に進んでください。左に切り換えしてから数歩は足下がとても狭くなってます。前方が開けて足下がガレ場のジグザグ下りになれば険場は終了です。前方の硫黄岳山荘めざして一気に下り落ちましょう!(横岳〜硫黄岳山荘間は約35分です。)

 硫黄岳山荘は小屋番が親切な綺麗な小屋。特にトイレは造って間もない様子で超キレイ!作者とその一行は驚きのあまり、全員トイレ視察ツアーを決行してしまった。さてさて、コーヒーまで飲んでスッカリくつろいで(トイレでじゃないよ)しまった作者とその一行ですが、そろそろ再出発とします。

 硫黄岳山荘〜硫黄岳間はガレ場の登り坂。まっすぐに続く上り坂は久しく見ていないので初めはチョットおっくうに感じますが意外とはやく頂上に立てますで頑張って登りましょう。頂上までの道中には濃霧時のシンボル用に大ケルンが立ち並んでいますので悪天時にはケルンを頼りに登りましょう。。

 硫黄岳頂上の手前には爆裂火口が口を開けています。あんまり近寄りすぎると崖っぷちが崩れて転落する恐れがありますのでほどほどに近づいて見てください。けっこう迫力がありますよ!
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横岳頂上に腰掛ける
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大同心
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横岳からの下り
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横岳通過後の注意ポイント

硫黄岳山荘
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ケルンに導かれ硫黄岳へ
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もうすぐ硫黄岳

硫黄岳〜赤岳鉱泉=約1時間10分

 登山道は硫黄岳頂上を過ぎると赤岩の頭に向かって下り坂になります。楽しかった稜線歩きもこれで最後です。左手に見える赤岳〜横岳〜硫黄岳の主稜線や阿弥陀岳・赤岳のシルエットがなごり惜しく感じた作者ですが、一行の方々はサッサと樹林に入って行ってしまうのでした。まってチョ〜。

 赤岩の頭からはドップリと樹林に入ります。昨日の文三郎道と違ってこちらはジグザグの急降下ですが足下はシッカリしていて、とても歩きやすいです。赤岩の頭から50分ほど下れば赤岳鉱泉に到着します。赤岳鉱泉の手前10分程度の所でジョーゴ沢を渡りますので、顔でも洗って行きましょう。

 赤岳鉱泉は素人でも泊まれそうな宿。通年営業なので真冬でも温泉に入れます。(厳冬期は素人じゃたどり着かないかも) 小屋では行者小屋同様、お土産・食事などのサービスが整っていますので、食べ物も水も無くなった状態で降りてきても、お金さえ持っていればどうにかなります。
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赤岳と阿弥陀岳

赤岩の頭

赤岳鉱泉

赤岳鉱泉〜美濃戸=約1時間30分

 登山道は赤岳鉱泉の玄関前を右に進んだ空き地の奥から続いてます。ここからはタラタラと下るだけです。沢に見とれて橋から落ちない限り危険箇所はありません。

 赤岳鉱泉から約45分で最後の橋を渡って車道に出ます。ここからは辛い車道歩きが約45分続きます。車道のヘアピンカーブがきつくなると、カーブの向こうに美濃戸の小屋が見え、無事、昨日歩き始めた登山口(八ヶ岳の絵看板がある)に到着です。

北沢ルート
 
 

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